１２月３日集会から
- 公開日
- 2007/12/03
- 更新日
- 2007/12/03
学校長の言葉
本日３日（月）、あいにくの雨のため予定していた朝集会は中止になり、放送で学校長から人権週間にちなんだ次のような講話がありました。
国際連合は、1948年12月10日の総会で、世界における自由、正義及び平和の基本である基本的人権を確保するため、すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の標準として世界人権宣言を採択しました。そして、12月10日を「人権デー」と定めました。
日本では、翌1949年から1週間前の12月4日から12月10日までを「人権週間」と定めて、人権尊重思想の普及高揚を図ってきています。12月4日から10日までの1週間、各地で人権意識を高める取り組みがされます。皆さんも、この機会にぜひ人権について考えていただきたい。
人が、人間らしく生きていくうえでもっとも大事にされなければならない人権。法務省が毎年行っている「中学生人権作文コンテスト」に今年は84万1558編の応募があり、そのうち24万9234編 29．6％がいじめを扱っているようです。全体の30％近くも占めており、中学生にとって、もっとも身近な人権問題だといえます。
内閣総理大臣賞に選ばれたのは、石川県の中学２年生、佐々木さんの「それぞれの思いに寄り添って」でした。祖父の病気をきっかけに人を思いやることの大切さを知った経験をつづったものだそうで、2月に作文集が発行されるようです。
昨年の内閣総理大臣賞は沖縄県の中１伊禮さんの「一人じゃないよ」でした。一部を紹介すると、『小学4年の頃、いじめのリーダーに近づき仲良くなった。自分がいじめの標的にされるのが怖かったからだ。物を隠す、ノートへの落書き、ありもしない悪口を言うなどだった。いじめをするのは簡単なものである。ところが、5年生のある日、私のノートと靴がなくなった。次の日、ノートは落書きだらけ、靴は汚れてぬれていた。誰も口をきいてくれず一人でいることが多くなった。初めていじめられた人の心の痛さを味わった。そんな頃、転校生のAさんが新たに標的にされた。私はAさんのことが気になった。なぜ罪もない優しいAさんがこんなにおびえて学校に来なくてはならないのか。
私のできること、それはAさんに手をさしのべることだった。いじめられる中で、私が一番してほしかったことを今、してあげなければと思って、「あんたは一人じゃないよ」と、Aさんは泣きながら「ありがとう」といった。次の日、Aさんの笑顔がまぶしく輝いていた。私とAさんは、いじめを受けていることを先生や親に話した。』
もう一つ、何年か前の内閣総理大臣賞、山梨県の中1、嶋田君の「おまえ、すげー、チビだな！」を紹介します。
『ぼくは「学校に行きたくない」と思う。「生きているのはイヤだ」と思うこともある。それは、ぼくが学校全体で一番のチビであるからだ。並ばせられるときは、いつも一番前だ、ぼく一人が際立って小さい。サッカー部で、いくらがんばっても、いつも応援だけだ。「おまえはちっちゃいからちょうど便利なんだ」とゴールの前に立たされてレギュラーのみんなの練習台にさせられる。同級生からは「すげーチビだな、本当は小学校2年生じゃないのか？」といわれ、わざと高いところに置いてとれなくする。こんなイタズラが毎日。家の人が心配して病院へ検査に行った。そのとき、病院の中の学級をのぞいた。そこで、多くの子供たちが病気と戦いながら、勉強、生活、遊びに一生懸命になって生きている姿を見た。ガンで足を切断した女の子、頭全体に包帯を巻いた子、手が不自由な子、ずっと点滴を付けたままでいる子、人工呼吸器をはなせない子、しかし、ここにいる子はみんな明るく生きていた。ぼくは知った。自分に与えられた人生を精一杯生きている仲間たちみんな、一人一人が全力で自分の運命と戦っている。そして、ここには「いのち」が最大限に輝いていた。これは今までに学校の中では決して感じたことのない尊い輝きだった。「生きている」ということはなんとすばらしいことなんだろう。今ぼくは「死んでしまいたい」なんて思っていた自分がとても恥ずかしく思う。これからのぼくは、勇気をもって堂々と人間らしく生きたい。』
とてもすばらしい作文ですね。この東部中学校でもいじめがあります。伊禮さんや嶋田君のような経験をしたことがあるかもしれません。伊禮さんはこんなことも気づきました。「後悔は物事をやって終わった後にやってくるものだ。そして相手にした悪事は必ず、自分にも降りかかってくるものだと言うことを強く感じた。」と書いています。
最後に、中国の思想家、孔子の言葉を皆さんにおくります。
「己の欲せざる所は 人に施す勿れ」
簡単にいうと、「自分がしてほしくないことを人にするな」ということです。
